Q1 : AHCCが医薬品として認可される可能性はありますか?

: AHCC研究会は、AHCCはあくまでも健康食品として位置づけていくべきだと結論しています。これは、AHCCが示す幅広い特性を生かすためであり、医薬品として認可された場合に使用目的が制限されるのを避けるためでもあります。AHCCの作用は、これまでの研究からも信頼性の高い素材であることが確認されています。また、AHCCの製造設備は医薬品の基準を満たしているものです。すなわち、医薬品に値しないものだから医薬品としての認可を求めないのではなく、AHCCの特性をより広く活用していくためには健康食品として位置づけられるべき、との判断によるものです。

Q2 : AHCCを飲み始めると何らかの体調の変化がありますか?

: 飲み始めて数日から数週間でQOL(生活の質)の改善があると報告されています。すなわち、食欲増進、快眠、快便、抗がん剤の副作用軽減などが、比較的早くから確認されています。また、がん患者さんの場合には、疼痛の緩和や延命効果なども報告されています。科学的なデータとしては、病院などの検査で、AHCCを飲み始めて数ヵ月のうちに血液中の免疫指標が上昇してくるなどの報告があります。他方で湿疹やかゆみなどが現れたとの報告がありますが、これらとAHCCの作用との関係は分かっておりません。一般的にそのような反応は重篤な副作用にいたることはなく、自然に消滅する反応であると考えられています。

Q3 : AHCCはどのような薬、健康食品と併用しても問題ありませんか?

: 食品であるAHCCは、抗がん剤、インターフェロン、インスリンなど一般の医薬品と併用しても問題はありません。また健康食品として適切な摂取量で摂取する限り、基本的に安全であり副作用も報告されていませんので、他の健康食品と組み合わせることは問題ありません。ただし、いずれの場合でも(特に特殊な治療をしている場合などは)担当の医師に相談しながら使用することをお勧めします。

Q4 : AHCCと組み合わせると良い健康食品はありますか?

: AHCCのみでがんが完全に治るというのは現実的には難しい点が多くあります。がんの治癒にはがんの種類やステージ、また患者さんの年齢や気質などが大きく関わっていると考えられるからです。AHCCを取り入れている患者さんの多くは、現代治療と合わせて他の健康食品、他の補完代替療法を組み合わせているようです。AHCCとの組み合わせに適した健康食品を選ぶのも結局は患者さんの判断になると思いますが、例えば抗酸化活性のあるビタミン(CやEなど)や身体に不可欠な要素であるミネラル類は比較的品質が一定で安価で手に入るものではないでしょうか。また、キノコ系の健康食品を数種類複合的に飲むよりは、働きや素材の異なる健康食品を組み合わせたほうがよいと考えている専門家もおります。

Q5 : 一般的な飲み方や飲む量を教えてください。

: 健康維持・疾患予防目的なら、1日量として、細粒で1~3g(カプセルなら1日3~10粒)飲むのが適当です。がん再発の予防では、1日量として、1日3g程度です。がん治療時には、1日3~6gです。いずれも1日3回程度に分けて飲むことをおすすめします。抗がん剤や放射線治療と併用しても問題ありませんので、その際には、抗がん剤投与開始前から1日3~6gを飲まれるとよいと思います。これらの飲む量はAHCC研究会において臨床医がAHCCを使用した時の経験や生化学的検査をもとに報告された数値です。なお、これらの量を飲んだからといって必ずしも「がんが治る」訳ではありません。

Q6 : AHCCは健康な人が飲んでも問題ありませんか?

: まったく問題ありません。むしろ、AHCCの抗酸化作用などが、発がんの予防・生活習慣病の予防などをあらわすものと考えられます。ちなみにがんの患者さんにおいては1日に3~6gの摂取量が適当されていますが、健康な人の健康維持目的であれば1日に1~3g程度が適当でしょう。

Q7 : 子供やお年寄りに飲ませるにはどうしたらよいですか?

: 子供の場合は体重に換算して量を減らすのが一般的だと思います。具体的な計算方法はお薬のように決まっていませんが、体重に合わせて半量程度に減らすことができます。また、お年寄りで胃腸が弱っている方なども体調に合わせて量の加減をする必要があるかと思います。いずれも、ヨーグルトやはちみつなどと混ぜて飲まれてもかまいません。

Q8 : AHCCの作用は個人差があるのですか?

: 年齢や生活環境、病気の有無、体質などでAHCCの作用が体感できるかどうかの個人差はあると思います。キノコ系の全ての健康食品に言えることだと思いますが、これを飲んだからといって間違いなく全ての人の免疫力が上がる訳ではありません。しかし、一般的にAHCCの場合、たいていの方が飲み始めて1週間程度で食欲の増進などQOLの改善が確認されます。これらの個人差を科学的に見極めるためには、血液検査によって免疫の指標の変動を測定する必要があります。その検査費用の一部は自己負担となります。

Q9 : AHCCはいつまで飲み続けたらよいのですか?

: 術後の方などでの多い質問ですが、できれば再発の予防のためにお飲みになることをお勧めします。この時、必ずしも病気の時に飲んでいた量を守らなくても、量を減らしながらでもよいと思います。

Q10 : AHCCと化学療法剤(抗がん剤)の併用に関してどのような情報がありますか?

: 動物実験では、シクロフォスファミド(CY)、ブレオマイシン、5-フルオロウラシル(5-FU)、アクチノマイシンD、マイトマイシンC(MMC)、アドリアマイシン(ADr)との併用により副作用の防止、腫瘍の縮小、生存期間の延長が認められています。実際のがん患者さんの場合では、通常の抗がん剤治療との併用により、生存期間の延長、抗がん剤の副作用の防止や軽減などが考えられます。AHCCの化学療法剤による副作用を軽減する効果については、多数の報告があります。脱毛、骨髄抑制、食欲不振、吐き気などの副作用は、多くの場合QOL(生活の質)に対して深刻なものとなりがちであり、それがために化学療法が中止されてしまう場合もあります。AHCCは化学療法の副作用を軽減するとともに、化学療法によってダメージを受けがちな免疫の低下を抑制することが、動物実験の結果から考えられます。     ※)臓器移植などの際の免疫抑制剤との併用は避けてください。

Q11 : AHCCは免疫系以外には作用しないのですか?

: 研究の結果では、免疫系以外にも作用していることが分かっています。ごく単純には、胃腸の調子が整い食欲が回復・増進します。またがんの疼痛が緩和したり、心理・精神を安定方向に導くなどの報告もされています。AHCCは私たちの体を全体として調整し、機能を高めることがあると考えられます。

Q12 : 糖尿病、慢性肝炎(B・Cのウイルス性肝炎も含む)、高血圧、高脂血症、リウマチ、喘息などの 人が飲んでも大丈夫ですか?

: 糖尿病、慢性肝炎、高血圧、高脂血症については、実験的にも、AHCCは改善作用があることが考えられています。リウマチ、喘息などのアレルギー性疾患に対しては、その原因である体液性免疫の過剰を鎮めて免疫系のバランスを整える作用があると考えられ、それらの疾患が改善したとの報告もあります。しかし、いずれの病気にしましても本来の治療をおろそかにしてはいけませんので、医師の適切なアドバイスが必要です。

Q13 : AHCCを飲めば必ず免疫(細胞性免疫)が上がるのですか?

: サイトカイン産生能などの検査結果では、たいていの場合に免疫が上がることが確かめられています。しかし必ずということではありません。飲む人の体質や病態によってはほとんど無反応の場合もあります。その場合には他の健康食品を併用するなどの工夫が必要です。

Q14 : AHCCはどのようながんに使用されているのですか?

: これまでに報告されたがんとしては、以下のものがあります。脳腫瘍(原発性脳腫瘍、転移性脳腫瘍)、頸頭部がん(舌がん、中咽頭がん、下咽頭がん)、甲状腺がん、肺がん、食道がん、胃がん、大腸がん、肝臓がん、胆のうがん、胆管がん、膵臓がん、乳がん、卵巣がん、子宮がん(子宮頸がん、子宮体がん、骨肉腫、白血病(急性白血病、慢性骨髄性白血病)、多発性骨髄腫、悪性リンパ腫。なお、この中で特に報告数が多いものとしては、肝臓がん、乳がん、肺がん、子宮がん等があげられます。使用後の調査につきましては、残念ながら他の治療と併用していたり、統計的に解析できる症例数が揃わないなどの問題があり、AHCC単独使用時の場合などはっきりとしたことは分かっていません。しかし、関西医科大学第一外科のグループは長年にわたる追跡調査の結果、術後肝細胞がん患者に対して延命効果があると結論しております。

Q15 : 手術後などに再発や転移を予防するために飲むこともできますか?

: 手術後の再発・転移の予防作用について報告の中には、抗がん剤などとの併用の例もあり、またAHCC単独摂取の例もあります。先に述べた通り肝細胞がん術後の再発の予防効果が科学的に確認されています。また、実験的には細胞レベルで発がん(肝臓がん、皮膚がん)の予防などが確認されています。

Q16 : AHCCを動物に飲ませるときの量を教えてください。

: 動物への使用の場合、大型犬(2~3g)、中型犬(1~2g)、小型犬(0.5~1g)が目安です。猫は小型犬程度の量で試してみてください。

書籍「AHCCを科学する」より抜粋